「グラスルーツとフットボール」第２回目の連載コラムは、
ご近所の人々にフットボールウェアをサラリと着てもらったお話です。
No.2 普段着とフットボールウェア
Profile
スタイリスト。2000年代からMEN’S NON-NOなど多くのファッション誌で活躍、
現在では多様なアパレルブランド、flumpool等のアーティストのスタイリング、広告などで活動。
主にデンマーク代表の選手を追いかける、かなりマニアックなフットボールフリークの一面を持つ。「フットボーラーのファッション診断」（ワールドサッカーダイジェスト）連載中
同世代の方なら共感してくれるかもしれませんが、
初めてのリアルタイムW杯の思い出が変な髪型の”元祖”ロナウドと
Pk失敗にうなだれるロベルト・バッジオ、
という人も多いのではないでしょうか？
残念ながら昨年のW杯出場を逃したイタリア代表。
大会ごとの風物詩にもなっている（？）男前なスーツ写真が更新されないの
も寂しいところです。
欧州選手権2016に臨むイタリア代表の集合写真（＠azzurriより）
パパラッチにスナップされる選手も多く、WSDの連載でもイタリア代表選手は常連
ちなみに過去に登場したオススメ選手は＠marchisiocla8
ワールドサッカーダイジェストの連載では
サッカー選手の普段着にコメントさせてもらっていますが、
サッカー中継を観ていて気になるのは、
スタンドにいる観客の人たち。
愛するクラブのシャツ、マフラー、キャップなどを
自然な様子で身につけている人々のスタイルは
単純なおしゃれさでは測れない、
面白さに満ち溢れていると思います。
ファッション&スポーツのエディターとして活躍する友人の撮影した、
スタジアムに集まる人々のスナップ
喜怒哀楽をフィルムカメラで切り取った生っぽい臨場感が
スタジアムを訪れた時の高揚感を追体験させてくれる
今年も欧州のスタジアムに訪れるようで
インスタグラム＠ktkhr1978にて新しい写真がアップされるのが楽しみ
好きなクラブだから、デザインがカッコいいから、
理由はそれぞれ自由だけどフットボールウェアを普段着として
自然に着こなしている姿には憧れがあります。
近所に住む、安井君もその一人。
１年半ほど前に購入したマンチェスターシティのキャップは
普段から愛用しているそう。
あまりに自然すぎて、シティの帽子と気づかれないことも多いとのこと。
モデル、映像作家、写真家として活躍する安井 達郎君
高校までサッカーをプレーした香川真司世代
グアルディオラが好きでシティの試合は現地観戦も
安井君の撮影したポートランドのサッカー場のスナップ
＠tatsuroyasuiphotoより
クリエイター気質で最初に出会った撮影のときも
たまたまカメラマン役のモデルを演じてもらったのが印象深い
東京に住んでいると日常生活とサッカーが
少し切り離されているように感じることがあります。
もちろんFC東京もヴェルディもあるのですが、
広い東京の中では遠い街のクラブに思えてしまうことも。
いつのまにかサッカー観戦は海外が中心になっていました。
安井君との会話で印象に残ったのは地域リーグの話。
今の地元クラブはまだ東京都１部リーグですが、
そんなご近所クラブの話題が世界のビッククラブと並んで
会話のネタになることは、サッカー文化の面白いところです。
ロンドン旅行の際には１日２試合をはしご観戦したらしく、その情熱もさるものながら、
ご近所にプロクラブの密集したロンドンという街も凄くいい
愛用のライカ片手に、cityのキャップ、paydayのカバーオール、THINETのパンツ、
Clarksの組み合わせは、本人のセルフコーディネート
さて、THINETの今シーズンのアイテムは、
冒頭に紹介したイタリア代表へのオマージュ。
中学校まで地元のいわゆる”街クラブ”でサッカーをして、
推薦で高校進学した18歳の元サッカー少年は、こちらもご近所さん。
本人の私物とTHINETのアイテムをミックスして撮影させてもらいました。
グラフィカルながらモノトーンで表現されたウェアは
東京の街とも流行りの服とも程よく馴染む、普段着的サッカーウェア。
普段着とフットボールウェアのさかい目をいい意味で曖昧にして、
サッカーが根付いた街で暮らす人々のように
自然に着こなせたら面白いなと思っています。
THINET RP PISTE TOP ¥12,100 / LS GAME SHIRTS ¥8,800
その他はすべて本人私物
写真・文・構成 本庄 克行（BE NATURAL）
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