山のキャプテン・山田拓巳の“キャプテンシー”。

 
高校卒業後のプロ契約以来1つのクラブに15年ものあいだ在籍~プレーをしてきた山田拓巳。<THINET>のアンバサダーでもあり、今もなおひたむきな努力で長い現役生活を続けている山のキャプテンが、力強い眼差しと口調で語る“キャプテンシー”。

Profile
プロフットボールプレイヤー。高校卒業後、東北のJクラブへ入団。入団後は数年に渡り試合出場が無い等の厳しい状況をも乗り越えレギュラーとキャプテンの座を掴み取った苦労人。労を惜しまぬハードワークとその人間性で、クラブ内外から厚い信望を集めるONE-CLUB MAN。曰く、不器用だからこその右利きLSB。

Instagram:@takumiyamada6
Twitter:@1125Yama

キャプテンとしての姿は自分自身で確立していかなきゃいけない。「こうしてくれ」って誰かに頼まれるわけじゃない。

キャプテン就任以来もう5年が経ったんですね。プロの世界で決して簡単なことじゃない。

山田拓巳:高卒ですぐ東北のクラブに入団してもう15年。在籍年数も年齢も重ねていく中で自然に、という感じで就任させてもらって。そもそも人前で話したりするのが苦手ですし…「俺にやらせてくれ!」ってタイプじゃないから。続けさせてもらえてクラブには感謝しています。


2022シーズンは若手の台頭もあって試合に出られない時間が長く、色々と難しかった?

山田拓巳:2022シーズンは難しかったですよ。若い選手にも自覚や責任を持たせたいというクラブの考えもあって、キャプテン3人体制という特殊なシーズンでした。何より試合に出られない時間が長いシーズンだった。先頭を走って練習やプレーで示したいと思っている中で、そこは確かに凄く難しかったですね。それらしいことが何もできなかったから。


そもそもキャプテンって何をするんですか?クラブから具体的な要望とかがあるんですか?

山田拓巳:いや、要望とかは特に無いです。自分らしく思うようにやってくれたら良い、とだけ。誰かが「キャプテンとは」って教えてくれたことなんて無いですし。暗黙の了解で試合前に一言とか、試合が終わった後に一言とか、皆の前で話す機会は自然と増えますけど。キャプテンとしての姿は自分自身で確立しなきゃいけない。「こうしてくれ」って誰かに頼まれるわけじゃないから。

「山、落ち着けよ」って何歳も下の選手に言われることなんてしょっちゅうですよ(笑)。

練習、試合、その他でも振る舞いについてはかなり意識しますか?

山田拓巳:そうですね。常に見られていると感じますし。クラブからもサポーターからも。そのへんの意識がだいぶ変わりましたね、前と後で。いつもイイ緊張感がある。


試合中の振る舞いは?

山田拓巳:チームにスイッチが入ってない時ってあるじゃないですか?フワっとしてたり、早い時間に失点したり。そういう時は熱くなる必要が無いシーンでもわざと大きな声出して、良いことではないけど相手選手に詰め寄ってみたりしてます。あ、けどそうじゃなくても気がついたら熱くなってること多いですね。。「山、落ち着けよ」って何歳も下の選手に言われることなんてしょっちゅうですよ(笑)。キャプテンなのに恥ずかしいですよね(笑)。

会社員だったら上司に向かって「山、落ち着けよ」って言えないです。。。なかなか想像しにくい世界ですね。

山田拓巳:「山、落ち着けよ」なんて全然普通ですよ。「ふざけんなよ!」だってある(笑)。

実際、試合中とか負けた試合の後とか何を話してるんだろう?って凄く気になります。やはり怒鳴ったりとかもある?

山田拓巳:いやいや、怒鳴ったりなんてないですよ。うちのクラブは真面目でイイ奴が多いから。話す時に気をつけているのは、負けに繋がる失点シーンそのものには言及しないようにするところ。負ける時って、その失点で負けたんじゃなくて前がある。その失点の前にそれを招くような試合をしてしまっているんです、そもそも。だから「あのシーンは。。」みたいに点で皆に何かを伝えるようなことはしません。

キャプテンらしい。耳が痛いです(笑)

言葉で伝えるよりプレーで示すことが大事。

試合中にチームを鼓舞している姿はTVや生の試合で何度も見る光景でした。試合以外ではどうですか?

山田拓巳:練習の時の姿勢って凄く重要だと思ってます。僕、古いタイプの人間だから、例えばランニングでは1番前を走るようにしています。それとゲーム形式の練習時。ケガしたくないって思いがどうしても練習で出てしまいがちなんです。けどそれじゃ試合で勝てないし士気が高まらない。だから練習でもガツガツ当たりに行く。色んなキャプテンが居ますけど、僕は言葉で伝えるよりプレーで示すことが大事じゃないかな、って。

「こうあるべき」みたいなことって誰かが教えてくれたわけじゃないということでしたけど、手探りながらも自身で見つけて体現しているキャプテンとしての姿、ということですよね。

山田拓巳:色んな先輩、キャプテンが居ましたからね。ピッチ内外で一緒に過ごさせてもらった時間の中から吸収して今の姿になったというか。「うるせぇなぁ。。。」「そんなこと言われなくても分かってるよ。。。」とか何度もありましたけど、同じ立場になってようやく当時の彼らの気持ちが分かるようになりましたね。

キャプテンとしてお手本にしている選手、気になる選手とか居ますか?

山田拓巳:2022シーズンで引退しちゃいましたけど、それこそTHINETも着ている柏のキャプテンだった大谷秀和選手。それと浦和の岩尾憲選手。2人共プレーが素晴らしいのは勿論、誰に聞いても抜群の人間性。ああゆう人達ってどんな風に振る舞ってるんだろうって。

なるほど。結局のところ“キャプテンシー”ってなんでしょう??

山田拓巳:まだ答えを探してます。プロの世界で5年キャプテンをやらせてもらいましたけど、そろそろ答えを教えてほしいくらい。けどやらなきゃいけないことは分かってます。
自分の為じゃなくてチームの為にプレーすること。キャプテンとして、僕がやらなきゃいけないことです。

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