スタイリス ト本庄克行によるファッションとサッカーの連載コラム 「グラスルーツとフットボール」 スタイリスト本庄克行によるファッションとサッカーの連載コラム 「グラスルーツとフットボール」1回目は<THINET>のジャージを見てたらエバートンのトム デイビスを思い出して、 近所の公園に撮影に行ったお話です。 Profileスタイリスト。2000年代からMEN’S NON-NOなど多くのファッション誌で活躍、現在では多様なアパレルブランド、flumpool等のアーティストのスタイリング、広告などで活動。主にデンマーク代表の選手を追いかける、かなりマニアックなフットボールフリークの一面を持つ。「フットボーラーのファッション診断」(ワールドサッカーダイジェスト)連載中 No.1 小公園とトム デイビス かれこれ10年くらい、ワールドサッカーダイジェストという雑誌でサッカー選手のファションにあれこれとコメントする連載をしています。小学校時代、お団子サッカーから卒業する前に地元のサッカークラブはやめてしまったけれど、Jリーグ開幕、ドーハの悲劇から海外サッカー観戦に行き着いて、今では週末、小学校の保護者コーチをしたり、自分の中では衣食住サッカーが生活の中心にあるように思います。 仕事柄、都内中心部に近い入り組んだ住宅街に住んでいるので、気軽にサッカーをプレーできる環境が少ないのが悩みどころ。幸い、今の住居の近くには「小公園」と呼ばれている人工芝の公園があり、部活動やクラブに関係なくサッカーを楽しめ、生活に根付いていると感じられる貴重な空間です。 さて、ワールドサッカーダイジェストの連載で印象に残っている選手の一人がエバートンFCの生え抜き、トム デイビス。最初に見た時は、モドリッチみたいな金髪ヘアーで中盤でボールを捌く姿が印象的でした。 いつの間にやらパーマのかかった髪型に、ヒッピーライクなファッションになっていて、驚いた記憶があります。 今の彼の個性的なファッションも好きですが、一番気に入ったのがジャージ姿で階段に腰掛けた、さりげないファッション。THINETのジャージを見て思い出したのが、この写真でした。 改めて見るとデザインは全く似ていないのですが、話を聞くと英国の昔のジャージをモチーフにしたらしく、同じ空気感を感じたのは偶然ではないように思います。 インスタグラム@1tomdaviesよりスクリーンショット 2015年、17歳でプレミアリーグにデビューしたトム デイビスは11歳からエバートン一筋。時にはキャプテンも任せられる、地元に愛される選手。アランやデュクレ、アンドレ ゴメスとポジション争いのライバルたちが年々入れ替わる中、今シーズンもコンスタントに出場機会は得ています。デビュー当時の期待感に比べたら今の立ち位置は少し物足りなさもあるけれど、一つのクラブに根付いてプレーする現代では貴重なプレーヤーかもしれません。 本人インスタグラム(@1tomdavies)よりスクリーンショット個性的なファッションスタイルがアップされているインスタグラムはサッカーとファッションが好きな人は是非フォローを。エバートンとの現契約は2023まで 自分自身は小学生で競技レベルのサッカーからは離れてしまい、もっぱら見るスポーツとして楽しんでいました。大人になってからようやく、各所にフットサル場が増えて趣味レベルのサッカーができるようになり、仕事にもつながっているのはとても幸運な事と思います。サッカーという一つの競技が地元と生活に根付いている文化のある場所と国には羨ましく感じます。 プレーレベルは天と地ほど離れていても、トム デイビスみたいに地元でサッカーを続けられることはしあわせなことと思います。 今、自分の生活の中で一番サッカーが根付いていると感じる場所が近所の「小公園」で、よくわからないけどトム デイビスと何か繋がっている気がするのです。 そんな訳でこちらのコラム、第1回目は「小公園」で見つけたちょっとだけトム デイビスに似たサッカー少年に、THINETのジャージを着てもらいました。ファッションとサッカーを繋げる根っこの部分に、THINETというブランドがなってほしいなと思います。 RN TRACK BLOUSON¥16,500(TAX IN) 1990年代、イングランドのウォーミングアップジャージがモチーフ。 ハリのあるリサイクルナイロン使用で、リフレクターの配置もよい。 程よく肩の落ちるドロップショルダーでフットボールシーンでは動きやすさと、ファッションでは肩の力の抜けたデザインに。 セットアップでパンツも展開。 写真・文・構成 本庄 克行(BE NATURAL)